『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」~古代国家を支えた海人の営み~STORY #030
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2026.03.06
一般
伝説・文化財・遺跡がギュッと詰まった島!『沼島』
淡路島から旅客船で10分渡ると太平洋側に浮かぶ小島、「沼島(ぬしま)」があります。「国生み神話」に登場する「自凝島(おのころじま)」伝承地の1つです。島に残る古墳や製塩遺跡、上立神岩(かみたてがみいわ)の信仰など、大海に漕ぎ出す海の民の拠点であったことが想像されます。沼島の「沼」は国生み神話の「沼矛(ぬぼこ)」に由来するといわれています。また、上空から見た島の姿が勾玉の形をしていることや「上立神岩」をはじめとする巨大な奇岩が島の周囲を取り囲んでいることが伝承を生んだものと考えられます。
「自凝神社」何と読むでしょう?
沼島の小高い山の上にある「自凝神社」、地元のガイドさんから聞いた笑い話、お客様がおのころ神社に行きたかったのに、どこにあるのか分かりませんでした。でも「自凝神社」があって、そこには行ってきましたと言われたそうです。「自凝」をおのころとは読めなかったという話でした。地元でも読めない人はいると思います。この神社にはイザナギノミコト・イザナミノミコトが祀られています。この山全体が「おのころさん」と呼ばれる神体山です。
沼島のシンボル上立神岩(かみたてがみいわ)
沼島の南の海上にある高さ30mの矛先のような形をした岩がで沼島のシンボル「上立神岩」です。この岩は、イザナギノミコト・イザナミノミコトがおのころ島に降り立ち、巨大な柱の周囲をまわって婚姻を行った、「天御柱(あめのしはしら)」や「天沼矛(あめのぬぼこ)」といわれています。上立神岩を陽神、下立神岩という巨岩を陰神になぞられ、「平(ひら)バエ」という岩を挟んで並びたつ様子は国生み神話を想像させます。また、上立神岩の中央部はくぼんでいますが、見る人や角度により、ハートや足袋(たび)に見えます。実際、行ってみて確認してみてください。
1億年前の地球のシワ
沼島と淡路島の間の海域には、日本列島が作られた当時の大規模な断層「中央構造線」が通過しています。これを境に沼島の地質は、淡路島と全く違います。簡単に言うと、淡路側は砂、沼島は岩です。沼島の北端にある「さや状褶曲(しゅうきょく)」は、1億年前の地球のシワと呼ばれています。当時の地殻内部の動きがわかる世界的にも数例で、貴重な資料となっています。
古代、製塩を行っていた
古代の沼島では、海水を煮詰めて塩をつくるための「製塩土器」が見つかっており、製塩が行われていたことが分かっています。
また、海人(あま)と深い関係があると考えられている「棒状石製品」も数多く発見されています。
海に囲まれた沼島では、人々は海から生活の糧を得ていました。そのため自然と航海術にも優れ、古墳時代になるとヤマト王権を支える重要な海上の機動力となりました。
この優れた航海術は、その後、中世の沼島水軍へと受け継がれていきます。
また、海人(あま)と深い関係があると考えられている「棒状石製品」も数多く発見されています。
海に囲まれた沼島では、人々は海から生活の糧を得ていました。そのため自然と航海術にも優れ、古墳時代になるとヤマト王権を支える重要な海上の機動力となりました。
この優れた航海術は、その後、中世の沼島水軍へと受け継がれていきます。
沼島を代表する魚「鱧(はも)」
鱧=夏の京都の風物詩として、鱧の湯引きが有名ですが、実は淡路島が大きく絡んでいます。鱧は生命力が強く、保冷手段の乏しい時代にも、淡路島から活きたまま京都に直接届けられていました。そのため、重宝され、別名「鱧祭」ともよばれる京都「祇園祭」には、鱧がなくてはならない魚となっています。沼島沖には、「鱧の巣」と呼ばれる一帯があり、主要な漁場となっています。
鱧は、海底に穴を掘って暮らしています。鱧の巣の海底は、良質のきめ細やかな泥で出来ていて、体表に鱗のない鱧が、穴を掘るのに最適です。荒い砂や岩だと、穴を掘るのが大変で、皮も分厚く硬くなりますが、きめ細やかな泥だと、まるで、ふわふわの布団で暮らしているようで、皮も薄くて柔らかい鱧に育ちます。近くの鳴門海峡付近は、潮流が速く、住処となる「鱧の巣」の海底の水が常に新鮮で淀みがなく、甲殻類などの餌も豊富なので、上質な鱧が育つ環境が全て整っています。一番おいしい時期は初夏~秋です。淡路島の名物「鱧すき」は、鱧のアラで炊いた出汁に淡路島産の玉ねぎを入れることで甘みが増し、より鱧の旨味を引き立たせます。
鱧は、海底に穴を掘って暮らしています。鱧の巣の海底は、良質のきめ細やかな泥で出来ていて、体表に鱗のない鱧が、穴を掘るのに最適です。荒い砂や岩だと、穴を掘るのが大変で、皮も分厚く硬くなりますが、きめ細やかな泥だと、まるで、ふわふわの布団で暮らしているようで、皮も薄くて柔らかい鱧に育ちます。近くの鳴門海峡付近は、潮流が速く、住処となる「鱧の巣」の海底の水が常に新鮮で淀みがなく、甲殻類などの餌も豊富なので、上質な鱧が育つ環境が全て整っています。一番おいしい時期は初夏~秋です。淡路島の名物「鱧すき」は、鱧のアラで炊いた出汁に淡路島産の玉ねぎを入れることで甘みが増し、より鱧の旨味を引き立たせます。







